OSM メーリングリストのアーカイブをGoogle翻訳で読む

OpenStreetMapにはたくさんのメーリングリストがあります。アーカイブを読む際、基本は英語なので翻訳ツールにかけたいところですが、右クリックからGoogle翻訳をかけるとわけわからない文章になってしまいます。古式ゆたかなメールの作法では適度に改行を入れるのが望ましいとされているためです。英文がぶつ切りになってしまっているためです。

改行を削除したうえでGoogle翻訳にコピペすればよいのですが、めんどくさい。

で、完璧ではないものの簡易的な解決策です。

  1. CSSをカスタマイズできるツールを入れます。例えばStylusとか。
  2. https://lists.openstreetmap.org 以下のページで pre要素を無効にするようにCSSを変更します。
  3. ついでにちょこっと見やすくするようにCSSを変更します。

つまりこんな感じのCSSを登録します。

pre {
    white-space:normal;
    width: 400px
}

pre i {
    white-space: pre;
    color: gray;
}

これでGoogle翻訳で多少は読みやすい訳文が出力されるようになります。

おわり

横須賀のトンネルはァァァァァァァアアア 日本一ィィィイイイイ

トンネル、いいですよね。自然の地形と人の営みがせめぎあう感じ。

地図的視点では、トンネルは「異世界」だと感じます。地図は地表を映し出しますが、トンネル内部は「どこでもない場所」です。街と街をつなぐトンネルを通るとき、地図に描かれた現世とは異なるどこでもない世界にいるような気持ちになります。

それはさておき、2018年10月に横須賀市トンネルシンポジウムが開催されました*1

シンポジウムの案内を見たとき、OSMでのマッピング状況はどうだろう?と調べてみました。すると、名称タグがつけられたトンネルが横須賀市内に全くないことがわかり、とても驚きました。

これはいかん、と奮起して横須賀市内のトンネルマッピングをすすめ、全トンネル(?)を踏破しました。 結果はこちら。 f:id:muramototomoya:20181111223306j:plain https://umap.openstreetmap.fr/ja/map/map_254999

Mapillaryにも載せてあるのでどうぞ。

筒井隧道の例

ちなみに、有名なトンネルでも現地で名前が確認できないものがけっこう多くて(千駄隧道など)、現地データ第一主義のOSMer的には悲しい…

ところで

シンポジウムのチラシには「日本一トンネルが多いと言われる街、横須賀。」と記載されていました。

本当でしょうか?ファクトチェック【謎】してみました。 日本全体を調べるのは大変なので、まずは神奈川県内で調べます。検索はOSMデータを使いました。

例えば横須賀市内のトンネルを検索するとこんな感じです。 f:id:muramototomoya:20181111222647j:plain

では調査結果です。

順位 市町村 トンネル数
1 横浜市 580
2 横須賀市 173
3 川崎市 114
4 相模原市 90
5 厚木市 84

ん?トンネルの数は横浜市のほうが多いですね。日本一どころか神奈川県でも一番になれていません。 いやいや、横浜市は人口も面積も大きいので公平な比較ではないですよね。

では人口当たりのトンネル数ではどうでしょうか。

順位 市町村 トンネル数 人口 人口一万人あたりトンネル数
1 山北町 55 11,764 46.8
2 清川村 14 3,459 40.5
3 箱根町 19 13,853 13.7
4 中井町 12 10,010 12.0
5 松田町 12 11,676 10.3
13 横須賀市 173 418,325 4.1

おっと、これは山間部の自治体が有利すぎる比較でした。

では面積当たりでは?

順位 市町村 トンネル数 面積(km2) 1km2あたりのトンネル数
1 逗子市 52 17.86 2.91
2 大磯町 32 17.23 1.86
3 横須賀市 173 99.49 1.74
4 横浜市 580 431.57 1.34
5 二宮町 11 8.96 1.23

…勝てない。横須賀市は日本一じゃなかったのか…?

じゃあ、鉄道トンネルもいれてやれ。

順位 市町村 トンネル数 鉄道トンネル 全トンネル 面積(km2) 1km2あたりの全トンネル数
1 逗子市 52 8 60 17.86 3.4
2 大磯町 32 10 42 17.23 2.4
3 横須賀市 173 50 223 99.49 2.2
4 二宮町 11 6 17 8.96 1.9
5 横浜市 580 191 771 431.57 1.8

…降参です。

神奈川県内のトンネルランキング第一位は逗子市に決定です*2

資料

{{geocodeArea:横須賀市}}->.searchArea;
way["tunnel"="yes"]["highway"];

全データ

No 市町村 トンネル数 鉄道トンネル 全トンネル 面積(km2) 人口
1 横浜市 580 191 771 431.57 3,688,773
2 川崎市 114 37 151 136.47 1,425,512
3 相模原市 90 27 117 328.50 717,544
4 横須賀市 173 50 223 99.49 418,325
5 平塚市 23 2 25 67.88 260,780
6 鎌倉市 48 11 59 39.53 174,314
7 藤沢市 73 9 82 69.63 409,657
8 小田原市 75 48 123 114.24 198,327
9 茅ヶ崎市 21 0 21 35.76 235,081
10 逗子市 52 8 60 17.86 58,302
11 三浦市 7 0 7 31.25 48,352
12 秦野市 39 4 43 104.16 170,145
13 厚木市 84 0 84 92.86 224,420
14 大和市 25 15 40 28.58 228,186
15 伊勢原市 45 0 45 55.72 101,039
16 海老名市 30 1 31 25.20 127,707
17 座間市 6 0 6 17.94 129,436
18 南足柄市 7 0 7 77.57 44,020
19 綾瀬市 12 0 12 22.24 83,167
20 三浦郡葉山町 16 0 16 17.00 32,766
21 高座郡寒川町 3 0 3 13.22 47,672
22 大磯町 32 10 42 17.23 33,032
23 二宮町 11 6 17 8.96 29,522
24 中井町 12 0 12 19.75 10,010
25 大井町 14 0 14 14.71 17,972
26 松田町 12 0 12 37.33 11,676
27 山北町 55 6 61 224.25 11,764
28 開成町 0 0 0 6.23 16,369
29 箱根町 19 12 31 94.03 13,853
30 真鶴町 6 4 10 7.00 8,212
31 湯河原町 15 8 23 40.68 26,848
32 愛川町 11 0 11 34.11 42,089
33 清川村 14 0 14 71.95 3,459

*1:残念ながら都合が合わず、聴講できなかったので、どのような講演があったのかはわかりません。

*2:あくまでもOSMデータ的に。逗子市は私道隧道や海水浴場に向かう短隧道が多く、データの精査が必要かもしれません。

りとうのちず

f:id:muramototomoya:20180210091322j:plain Googleマップ使ってますか?便利ですよね。 Googleストリートビュー使ってますか?便利ですよね。

OpenStreetMapもMapillaryも便利ですが充実度では一歩譲ります。

じゃあ、Googleマップストリートビューを使っていればOK、とはいかないのが地方です。nyampireさんが人口の少ない自治体の地図を作ろうプロジェクトを提案したように、地方の地図データ充実度はまだまだ十分とは言えません。

Googleマップストリートビューの先を行けるフロンティアは(多分)離島です。離島のマッピングを充実させることで、OSMの活用が(きっと)進みます。 偉大なるGoogleの先を行ってやった!と自己満足にも浸れます。

--

これまで離島のリモートマッピングを進めてきて、そこそこ充実してきたのではないかなと思っています。

https://umap.openstreetmap.fr/ja/map/map_120950

ってことで次はサーベイの時間です。

現地のPOIを解明すべく我々は離島へ向かった。

青ヶ島

https://www.mapillary.com/app/?lat=32.458&lng=139.764&z=14

みんな大好き青ヶ島です。説明は不要でしょう。

なぜかGoogleストリートビューは島の一部しか登録されていないんですよね。なんででしょう?

舳倉島

https://www.mapillary.com/app/?lat=37.850&lng=136.919&z=15

能登半島輪島市から船で90分。日本海に浮かぶ孤島です。渡り鳥が飛来する春のシーズンには野鳥観察で賑わいをみせます。

個人的なおすすめポイントは、まず神社。島を囲うように点在する8つの神社は、豊漁・航海の安全・防疫などがそれぞれ祈願され、島の守りとなっています。荒波を背景に佇むお社は絵になります。

そして島の沿岸部に並ぶケルン。竜神池に眠る竜神様の供養として石を積んでいるとのことです。

ただし島内には食堂などの店舗はありません。自販機も1台だけです。宿の手配や食べ物の確保など、十分な準備をしたうえで島に向かってください。 とはいうものの、少しの不便さも離島の楽しみのうちです。日本海のど真ん中にいる「孤島」感を味わいましょう。

飛島

https://www.mapillary.com/app/?lat=39.194&lng=139.549&z=14

酒田市から船で75分。舳倉島と同じくこちらも渡り鳥の島です。

酒田市からほど近く、歩いて回れるほどよい広さで、雄大な海岸あり、静かな山の遊歩道あり、疲れたらカフェで一休み。 「離島」に求められる要素がてんこ盛りで、満足度が高い島です。 舳倉島とは対照的に、食堂やカフェもあるので、気軽に行けるはずです。

おススメスポットは南側に位置する海岸遊歩道と、北に位置する巨木の森です。荒々しい岩肌・波しぶきと、深く静かな森はどちらも捨てがたい。

琵琶湖の小島

沖島

https://www.mapillary.com/app/?lat=35.205&lng=136.0626&z=15

琵琶湖で唯一の有人島沖島

ここは「島」を味わうというより、「街」「路」を味わう地です。島のメインストリートと言っても良いホンミチ。そして島民の足である三輪自転車。入り組んだ狭い路地を迷いながらゆっくり歩きましょう。

多景島

https://www.mapillary.com/app/?lat=35.296&lng=136.178&z=18

島全体が見塔寺の敷地で、小さなテーマパークの様相です。狭い島ではありますが、島の滞在時間は30分しかなく、時間が全く足りません。地図を見ながらオリエンテーリングのように楽しみましょう。

竹生島

https://www.mapillary.com/app/?lat=35.422&lng=136.144&z=16

法厳寺と都久夫須麻(つくぶすま)神社の島です。ここは琵琶湖に浮かぶ極楽浄土です。法厳寺も都久夫須麻神社もエンタメ性たっぷりで敷地内を歩いてるだけで楽しめます。 ただ滞在時間は70分ほどで、多景島よりさらに時間が足りません。 見たいポイントを一か所に絞って、あとは港のカフェでくつろぐのもいいかもしれませんねぇ。

あ、ここはGoogleストリートビューさん上陸済みです。

まとめ

どの島にも独自の文化が色濃く残っています。パッと目に付くところでは、道やら壁やら屋根やらでしょうか。地理的な要素と文化的な要素をうまく結びつけられるようになっていきたいなぁと思うこの頃です。

資料

本記事の地図にはOpenStreetMap((c)OpenStreetMap Contributors)およびMapillaryを使用しています。

横浜市の商店街に関する書籍メモ

弘明寺商店街

タイトル 著者 出版年 概要
横浜弘明寺商店街協同組合 六十年のあゆみ 横浜弘明寺商店街協同組合六十周年記念事業実行委員会 2011 年表、店主へのインタビュー、過去の写真
弘明寺商店街の現状と展望 横浜市立大学商学部教授柴田悟一&ゼミナール27期生 2001 協同組合の構成・活動内容、利用者へのアンケートによる店舗利用状況の把握

Organized editing guidelines 20180908版に関する疑問

20180908にDWGにより提案されたOrganised editing guidelinesに関する私の疑問点をまとめます。

あとで英語にするつもり

個人的重要ポイント

  • 友人が集まるマッピングパーティー等に適用されないよう、適用範囲の定義を見直してほしい。前案のDirector/Directee構造は良かった。
  • 緊急時のインポートは許容すべきでない。

前案のほうが良かった点

  • 個人のマッピングと組織のマッピングは同じレベルである(組織であるからといっても一参加者に過ぎない)ことが謳われていた。
  • must/should/mayを使い分けることで、必須義務と推奨事項が区別されていた。
  • 適用対象が、Directorが存在する組織編集に限定されていた。そのため、友人が集まったマッピングパーティーなどは適用範囲ではなかった。しかし本案では適用されてしまう。
  • 参加者(マッパー)の義務がほとんど示されていない。個人プロフィールページにwikiへのリンクを貼ることくらいしか義務が提示されていない。前案では、「(指導者がいるのだから)普通の人よりもちゃんとしたマッピングをする」ことを始めとして、参加者(マッパー)としての義務が明示されていた。

その他個別事項

原文 訳文 疑問点
Their goal is to provide a framework to both organised mapping initiatives and the communities to encourage good organised mapping. このガイドラインの目的は、組織的マッピング団体およびコミュニティの双方が、組織的マッピング活動をより良いものにしていくフレームワークを提供することです。 なぜコミュニティが組織的マッピングを推進しないといけないのか?
They are not meant to apply to community activities like mapping parties between friends or doing a presentation on OSM at a local club. このガイドラインは、友人が集まって行うマッピングパーティーや、地元の集まりでOSMを紹介するといったコミュニティ活動には適用されません。 友人間のマッピングパーティーや、地元の集まりでOSMを紹介する活動に適用されない理由が説明されていない。
any edits that involve more than one person and can be grouped under one or more sizeable, substantial, coordinated editing initiatives. 一人より多い人数が参加し、ある程度の大きさがあり、実質的で、組織化された編集団体のグループに構成されるあらゆる編集に適用されます。 意味が分からない。
more substantial initiatives are expected to spend a more substantial amount of effort. より実質的な団体は、より実質的な量の努力が求められます。 "substantial"とは? 友人が集まったマッピングパーティーは"insubstantial"とでも言うのだろうか?
the accounts of participating persons that wish to be identified, with any details they wish to include 参加者の合意が得られた場合、参加者のアカウントおよび詳細 参加者が同意しなかった場合は記載しなくてよいのか?
If the activity is a response to an emergency and no advance discussion is possible, the community should be informed as soon as is practical. もし活動内容が緊急性を要しており、事前の議論ができない場合、コミュニティへの連絡はできる限り早くすれば大丈夫です。 これはダメでしょう。議論の時間もとれないほど緊急性があるタスクにOSMを使うべきではない。
Contributors should respond to communication attempts made in good faith by other contributors. 他のマッパーから誠実な連絡が来た場合、マッパーは連絡に対して返答する必要があります。 なぜ主語が"Contributors"になっているのだろう?これはOSMのマナーであって、組織編集ガイドラインに入れる必要性が感じられない。
Any person or organisation whose actions affect the OpenStreetMap project has the duty to care for the project, and should respect the community’s consensus, mapping practices and guidelines. OSMプロジェクトに影響を及ぼす活動を実施する個人または団体は、プロジェクトをケアする義務があります。 こちらも同様。なぜ組織編集ガイドラインに入れる?
They should make sure any person they instruct to contribute to OpenStreetMap is familiar with them. OSMの編集を指示する人がOSMに慣れていることを確認する必要があります。 前文とのつながりが不明。
Edits to the map 見出しの意味がわからん…。内容的には"Duties and training of editors"の一部のように思えるが…。
People looking at individual changesets that are part of a organised mapping activity should be able to tell as soon as they look at a changeset. 組織的マッピング活動の変更セットを見ている人が、変更セットを見ているその時に意見を言えるようにしておく必要があります。 "tell"とは?

Organized editing guidelines私家訳

20180908版Organised editing guidelinesの勝手訳です。 https://wiki.osmfoundation.org/w/images/1/13/Organised_editing_guidelines_version_20180908.pdf

OSMFのサイトは全部CC BY-SA 2.0のはずなので、この文書も同様です。

はじめに

 OpenStreetMapはコミュニティの力で成り立っているプロジェクトです。基本的には個人によるマッピングが主なものですが、OSMが拡大するにつれ、マッピングチームを雇用した企業や、学校の授業のような無償活動団体などで、OSMの活動に従事するように指示された組織的マッピング活動などが増えてきました。  今日においては、団体でのマッピングOSM活動に欠かせないものであり、適切に活動が実施される限りにおいては、OSMをより良くし、広めていく助けとなります。

 コミュニティ、OSMF諮問委員会、人道支援マッピング団体との協議のもと、OSMFは(組織的マッピングに)求められる事項、コンセンサス、出来上がった決まりをまとめたガイドラインを以下のとおり作成しました。このガイドラインの目的は、組織的マッピング団体およびコミュニティの双方が、組織的マッピング活動をより良いものにしていくフレームワークを提供することです。このガイドラインは、友人が集まって行うマッピングパーティーや、地元の集まりでOSMを紹介するといったコミュニティ活動には適用されません。ガイドラインを適用すべきかどうか分からない場合は、ローカルコミュニティに相談してください。

 これはルールではありませんが、このガイドラインに従うことで、組織的マッピング活動がうまくいき、コミュニティからの建設的なフィードバックを得るための最善の方法になります。

範囲

組織的編集のガイドラインは、一人より多い人数が参加し、ある程度の大きさがあり、実質的で、組織化された編集団体のグループに構成されるあらゆる編集に適用されます。 主としてマップ編集活動を念頭においていますが、wiki編集などのほかの活動にも適用されます。

手続き

すべての要求事項を達成することは難しいものです。「ベストエフォート」アプローチでやれば大丈夫です。より実質的な団体は、より実質的な量の努力が求められます。

wikiへの文書化

 組織的編集は特定の活動に対してwikiOrganised Editing/Activities/Name of the Activityという名前のページを作成し、このページを Organised Editing/Activitiesのリストに追加しなければなりません。これは、コミュニティと接触するのに役立つだけでなく、活動開始前のチェックリストにもなり、建設的フィードバックを得る方法にもなります。このページには以下の項目を正確に記載する必要があります。

  • まとめ役の人または団体
  • 運営者へのコンタクト方法
  • 変更セットコメントに使うハッシュタグ
  • 活動のゴール、ゴールを目指す理由の説明
  • 活動のスケジュール
  • 活動で使用する、一般的でないツール、データソース、およびそれらを使用する条件
  • 一般的でないツール、データソースにコミュニティがアクセスできるリンク
  • 参加者の合意が得られた場合、参加者のアカウントおよび詳細
  • 参加者のパフォーマンスをなんらかの指標で評価する場合、その評価基準の説明
  • 参加者向けの学習資料や指示書を作成した場合、それらの資料を掲載する
  • イベント後のデータ検証・クリーンアップ活動計画(特に初心者が参加する場合)
  • 活動完了後、または活動中に毎月一回以上、成果報告

ひとつの組織が複数の活動を行っている場合、組織のページを作成して共通事項を記載し、各活動の個別ページを作成してもかまいません。

コミュニティとのコミュニケーション

関連するコミュニケーションには、以下の特性を備えたチャンネルを使う必要があります。

  • オープンである(OSM以外の登録は不要である)こと (open)
  • 公開されていること (public)
  • 記録が残ること (archived)

OSMフォーラム、メーリングリストwiki、変更セットなどはこの要求事項をすべて満たしています。例外として、プライベートメッセージ(OSMのメッセージ機能やEメールなど)は使ってもかまいません。個人的な内容でない場合は、公開の場からプライベートメッセージに議論を「移動」しないようにしてください。

コミュニティへの連絡

wikiページを作成した後、関連するOSMコミュニティに適切な案内を入れる必要があります。"talk"メーリングリストが最も一般的ですが、活動地域が限定されている場合は、その地域のメーリングリストや地元コミュニティが使用しているチャンネルを使うのが良いでしょう。この連絡は、活動を開始する2週間以上前にしてください。コミュニティが議論するために必要な時間を十分確保する必要があります。また、コミュニティから提案された改善案に対しては十分検討することが必要です。もし活動内容が緊急性を要しており、事前の議論ができない場合、コミュニティへの連絡はできる限り早くすれば大丈夫です。

コミュニティの明確な承認は必ずしも必要ではありません。暗黙の同意でも、全く回答がない状態でもOKです。ただし、正当な批判を無視して活動を強行した場合、活動は停止され編集内容はリバートされることになります。

他のマッパーとのコミュニケーション

他のマッパーから誠実な連絡が来た場合、マッパーは連絡に対して返答する必要があります。来た連絡をコミュニケーション責任者(運営代表者など)に回すこともできます。 活動が実施中の場合は、来たメッセージに対して2日以内に回答する必要があります。また、回答はきちんとした内容にする必要があり、「ありがとうございました」と返事するだけではだめです。

義務および編集者のトレーニン

OSMプロジェクトに影響を及ぼす活動を実施する個人または団体は、プロジェクトをケアする義務があります。また、コミュニティのコンセンサス、マッピングマナー、ガイドラインを尊重する必要があります。OSMの編集を指示する人がOSMに慣れていることを確認する必要があります。

ユーザのプロフィールページには、現在参加している組織的編集および団体のwikiページにリンクを貼る必要があります。

Edits to the map

組織的マッピング活動の変更セットを見ている人が、変更セットを見ているその時に意見を言えるようにしておく必要があります。変更セットコメントにはwikiページに記載したハッシュタグを記入する必要があります。

してはいけないこと

  • 活動を隠そうとしたり、活動をフォローするのを困難にしようとしたりすること。例えば、たくさんのアカウントを使ったり、誤読させるようなユーザ名を使ったり、頻繁にユーザ名を変更するといったことが挙げられます。
  • 極端に大きかったり極端に小さかったりする変更セットを作成すること
  • 議論で不誠実な態度をとること
  • 間違ったソースを指定すること

問題がある編集への対応

問題がある編集はリバートされます。問題が重大であったり繰り返された場合は、個人および団体はOSM編集から追放される可能性もあります。

Directed Editing Policy 私家訳

OpenStreetMapプロジェクトのDirected Editing Policy(https://wiki.osmfoundation.org/wiki/Directed_Editing_Policy)の2018/08/21版勝手訳です。最新の内容は本家ページで確認ください。本家と同様にCC BY-SA 2.0となります。

        • -

本文書はレビュー途中です。現時点ではOSMFの正式なポリシーではありません。

指示編集(Directed Editing)に関するOSMFポリシー

 OpenStreetMapはコミュニティの力で成り立っているプロジェクトです。基本的には個人によるマッピングが主なものですが、OSMが拡大するにつれて団体でマッピングする事例も増えてきました。団体でのマッピングは、地域や目的を限定し、企業活動としてOSMデータを入力するケースや、学校の授業でOSM編集をおこなう無償のケースなどがあります。
 今日においては、団体でのマッピングOSM活動に欠かせないものであり、適切に活動が実施される限りにおいては、OSMをより良くし、広めていく助けとなります。
 個人レベルのコミュニティメンバーと団体マッピンググループは、平等な関係の下で十分なコミュニケーションが取れることが必要です。そのために、OSMFは以下のようなガイドラインを作成しました。
 この文書で使われている「しなければならない(must)」「する必要がある(should)」「してもよい(may)」という言葉は、RFC2119に準じています。また「推奨する(encourage)」という言葉は、マッピング団体がOSMコミュニティの模範的な一員としてあるために提案する内容であることを意味しています。

このポリシーはいつ適用されますか?

 このポリシーは、ある人が
a) 第三者からOSMの編集を要請された
b) 第三者からOSMに対して何をどのように編集するのか指示された
場合に速やかに適用されます。

(注:ある人がほかの人に従うケースはいろいろです。OSMを編集するよう要請された場合でも、給与が支払われ業務で実施するケースや学校の授業に参加するケースなどがあります。こういったケースでは多くの場合、何を編集するのか指示されることが多いでしょう。しかし、編集することを指示されたとしても、何を編集するのか指定されないこともあります(学校の自由課題授業など)。逆に、編集することは指示されていなくても、何を編集するのか指定されることもあります(新人向けマッピングイベントなど)。
特定の事例でb)が適用されるのか判断が難しい場合は、責任の所在から判断することもできます。マッピングされた内容に関して責任を持つのは、運営者でしょうか?参加者でしょうか?なお、同じマッピングイベント内でも、"指示された"参加者と"指示されていない"参加者の両方がいる場合もあります。)

 以下の文書で「指示者」は、ある人にOSMの編集を要請する、もしくは指示書を提示する人もしくは団体のことを指す一般用語として使います。編集を要請される、指示書を受け取り、OSMを編集する人のことを「指示を受ける人」と呼びます。
 SEO企業やブランド管理者は、ビジネスとしてマッピングを請け負うケースもあります。その場合は一人のマッパーが指示者と指示を受ける人の両方を兼ねることになります。

(例:「指示者」としては、マッパーを雇用する企業、学校の授業をおこなう先生・教授、マッピングイベントのオーガナイザーなどが該当するかもしれません。「指示を受ける人」としては、雇われマッパー、生徒、マッピングイベント参加者などが該当するかもしれません。OSM経験者に費用を支払ってマッピングする場合は、OSM経験者が指示者と指示を受ける人の両方を兼ねることになるでしょう。)

A. 指示者の義務

1. wikiに"Directed Editing/Activities/活動名"というページを作り、、"Directed Editing/Activities"(サンプルページ作成中)にある活動一覧に記録しなければなりません。ページには以下の内容を正しく記載しなければなりません。

  • 活動のゴール。ゴールを目指す理由の説明。
  • 活動のスケジュール
  • 活動で使用する、一般的でないツール、データソース
  • 実施組織
  • 指示者とのコンタクト方法(下記の「コミュニケーション」も参照)
  • ハッシュタグ(変更セットのhashtagタグ、または別のタグにつけるもの)
  • 参加者

 あなたの団体が多くの活動を進めている場合、団体のページを作成して共通事項をまとめ、各個別活動のページにリンクを貼ってもかまいません。
 (注:このポリシーはまだ固まっていません。すべてのケースをカバーすることは難しいものです。例えば、指示者が大学で、指示を受ける人は"週1.5日OSM編集する"条件の労働者であるといったケースも考えられます。スケジュールやゴールはどう設定すればよいでしょうか?こういったケースでは、「ベストエフォート」アプローチで記載してください)

2. wikiページには以下の内容を記載することを推奨します

  • 参加者のパフォーマンスを何等かの指標で評価する場合、その評価基準の説明
  • 参加者向けの学習資料や指示書を作成した場合、資料を掲載する
  • 活動が完了したのちに、結果を記載する
  • 活動で使用する一般的でないツールやデータソースに他のコミュニティメンバーもアクセスできるようにする

3. wikiページを作成したあとで、活動を開始する前に、関連するOSMコミュニティに向けて"talk"メーリングリストで連絡を入れる必要があります。活動が一つの国や地域に限定される場合は、その地域のメーリングリストやコミュニティが使用しているチャンネルに連絡する必要があります。議論には十分な時間を確保し、コミュニティから改良提案があった場合は十分検討する必要があります。
 (注:議論の期間は14日以上とすることを推奨します)
 (注:念のためですが、コミュニティの明確な承認は必ずしも必要ではありません。ただし、正当な批判を無視して活動を強行したり、コミュニティに相談せずに後で編集内容に問題が発覚した場合、活動は停止されることになります。)

4. あなたが指示している人が作業を正しく行えるよう、指示を受ける人が下記に示すルールに準じた形で訓練を受けていることを確認する必要があります。自分で訓練してもよいですし、十分な技能を持った人のみを採用する形でも構いません。あなたが指導している人に対し、「指示を受ける人の義務」(次章に記載)が適用されることを伝えなければなりません

5. 新規マッパーにOSMを紹介する活動を行っている場合、あなたは「イベント後のクリーンアップ」にリソースを割く必要があります。熟練マッパーに指示して、破損されているデータを修正するようにします。
(注:ここで言う「リソース」とは、熟練マッパーの時間を割り当てることや、ローカルコミュニティからの支援の確保を意味しています。何らかの問題が発生した場合に、何の対応計画もない状態で学生たちに好き勝手やらせるようなことがないようにするということです。)

6. プロジェクトページに記載したチャンネルを通じて他のマッパーから誠実な連絡が来た場合、あなたは適時、分別を持ったやり方で回答しなければなりません。また、指示を受ける人からあなたに提起されたコミュニケーションに対しても同様に回答しなければなりません
(注:「適時」とは、活動が進行中の場合は24時間以内に回答する必要があることを意味します。「分別を持った」とは、『連絡ありがとうございました』と返事するだけでなく、どのような質問に対しても実際に回答することを意味します。)

B. 指示を受ける人の義務

1. あなたの編集内容を見た人が、この編集は指示編集(Directed Editing)の一部であることが認識できるよう、wikiの"Directed Editing/Activities/活動名"ページへのリンクを貼らなければなりません。リンクを貼る場所は、ユーザアカウントのプロフィールページや、変更セットのhashtagタグが適しています。
(指示者との関係が長い場合は(雇用関係にある場合など)、プロフィールページに記載する必要があります。指示者との関係が一時的な場合は(マッピングイベントなど)、hashtagタグなど変更セットに記載する必要があります。)

2. コミュニティが期待するマッピングマナーを遵守するよう心掛けなければなりません。例えばグッド・プラクティスに記載されているような内容です。中でも、変更セットに良いコメントをつけることはマッピングマナーの中で特に重要です。
(注:趣味で新しく始めたマッパーは、上達するまでは多くのミスを犯してしまうものです。はじめの一歩は完璧ではないかもしれませんが、問題ありません。しかしながら、あなたに指示者がついていて、質問できたり説明してくれたりする状態なのであれば、自分で勉強してマッピングする人よりももう少し上手にやってくれることが求められます。)

3. あなたの活動を隠そうとしたり、活動を意図的に追いにくくしたりしてはいけません。例えば、多くのアカウントを使ったり、変更セットコメントで誤読させたりすることが該当します。
(注:透明性を損ねるような望ましくない方法としては、誤読させるようなユーザ名を使う、ユーザ名を頻繁に変更する、極端に大きかったり極端に小さかったりする変更セットを作成する、議論で不誠実な態度をとる、間違ったソースを指定する、といったものが挙げられます。偶然これらに該当することは起こりえますが、意図的にやってはダメです。)

4. 変更セットの議論やダイレクトメッセージ(またはEメール)を通じて、他のマッパーが誠実にあなたに連絡してきた場合、あなたはタイムリーにかつ賢明な方法で返答しなければなりません。あなたが返答できない場合は、あなたの指示者に問題を上げなければなりません。
(注:「タイムリー」とは、過度な負担にならない範囲において新しく変更セットを始める前にメッセージに対して返答する必要があることを意味します。このような場合は、作業時間から返答するための時間を確保したほうがよいでしょう。また、「賢明な」とは、どのような質問に対してもきちんと返答し、「ありがとうございました」と返答するだけではダメであるという意味です。)

コミュニケーション

マッピングに関するコミュニケーションはすべて、以下の性質を持ったチャンネルを使う必要があります(指示者、指示を受ける人のどちらも)。

  • オープンである(OSM以外の登録は不要である)こと (open)
  • 公開されていること (public)
  • 記録が残ること (archived)

OSMフォーラム、メーリングリストwiki、変更セットなどはこの要求事項をすべて満たしています。プライベートメッセージ(OSMのメッセージ機能やEメールなど)を使うこともできますが、例外的であることを認識しなければなりません。特に、個人的な内容でない場合は、公開の場からプライベートメッセージに議論を「移動」しないようにしてください。

このポリシーに違反した場合

このポリシーに違反した場合、編集内容はリバートされる可能性があります。場合によってはデータワーキンググループに報告されることもあります。団体からの違反が重大で繰り返し行われた場合は、OSMから追放されるかもしれません。