kepler.glの使い方メモ

この記事では、地理情報をこんな風に可視化する手順を説明します。

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始めに

地理空間データは可視化が非常に重要です。普段は可視化にuMapを使うのですが、GeoSaturdayに参加した際に、Jupyter+GeoPandas+KeplerGLだとかっこいい可視化ができる事例を見ました。その際は、Pythonはよくわからないし、**.glってことはプログラミング用ライブラリなので難しそう、と思って手を付けませんでした。そのあとに調べてみると、kepler.glはuMapやGoogleマイマップのようにデータをアップロードすれば地図上に可視化してくれるものだと分かりました。

そこで、GeoSaturdayで見た事例を再現してみることにしました。

データ作成

まずは可視化するデータを探します*1。今回は、ある都道府県から別の都道府県に転居した人数のデータを使いました。

www.e-stat.go.jp

Excelファイルはいまいち使いにくいフォーマットなので、DBのリンク先に飛んで、ある程度整形したデータを入手したほうがよいです。

 こんな感じのデータが入手できます。

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都道府県間 人口移動データ(2018年)の一部

北海道から青森への移住者が1662人、青森から北海道への移住者が2157人だそうです。

双方向のデータがあると表示が面倒なので、一方通行のデータにします。Excelでvlookupなどを使ってデータを加工して、逆移動人口との差をとり、差し引き移動人口を求めます。差し引き移動人口が正の値のデータだけを抽出すれば完成です。

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データ加工

kepler.glで可視化するためには座標データが必要です。各都道府県の座標は、こちらのページからデータを使わせてもらいました。

www.benricho.org

またvlookupを活用してデータを加工して、こんな感じのデータを作ります。データはCSV形式で保存します。

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データ加工最終形

これでデータ作成・加工は完了です。

データ表示

kepler.glにアクセスし、f:id:muramototomoya:20200105211900p:plainボタンを押して始めます。

作成したCSVファイルを画面にドロップするとデータを読み込んでくれます。項目名をそれっぽい名前にしておいたので、座標も自動で読み込んでくれました。

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kepler.glでデータを読み込んだところ

今回は人口の移動をアーチ状のラインで表示させたいので、目玉マークをクリックして表示させます。

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するとぐちゃぐちゃな画面が表示されます。

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アーチラインを真上から見た図

右上の3Dアイコンをクリックして、

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斜め上から表示させます。

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アーチラインを斜め上から見た図

できました。色味を調整して、こんな感じにしてみました。

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2018年の日本の人口移動(暗→明方向に、線が太いほど多くの人が移動)

これでもいいのですが、GeoSaturdayで見た例では、マウスオーバーした場所のデータだけを表示させていましたので、そちらもやってみます。

操作パネルの"Interactions"タブから、Brushを有効化して、Brush Radiusを少し大きく変更します。

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すると、マウスオーバーした場所のアーチラインだけが表示されるようになりました。

 

 

なお、kepler.glウェブサイトはアップロードしたデータを保存してくれません*2。ですので、可視化マップを保存・共有するためには、Shareボタンからデータをdropboxにアップロードする必要があります。

 

まとめ

  • kepler.glを使うといい感じで地理データの可視化ができます
  • うまく表示するためには、データの前処理が大事です

*1:本末転倒感がはなはだしいですね

*2:実際にはデータはアップロードすらされていません