地図サービスの比較 2019

2019年は日本のOpenStreetMapにとって結構意味が大きな年になったのかなぁと私は思います。その理由は、ひとつはGoogleマップオフライン利用解禁、もうひとつは地理院地図の申請不要範囲の拡大です。

OpenStreetMapは自由な地理データの提供を謳っています。ですが、一般ユーザの観点からはオフライン利用や地図画像ライセンスの点で使い勝手が良いことが評価されていると思います。2019年は、OpenStreetMapが優勢だったエリアにGoogleマップ地理院地図が進出してきた年だと思いました。

もちろんこの変化は私にとっても一般の方にとっても好ましい変化です。Googleマップ地理院地図も利用しやすくなったわけですから。

とは言え、OpenStreetMap Contributorの一人としては、ちょっと立ち止まって考えたくなったので、あらためて地図サービスを比較してみました。

 

 表 地図サービス比較

  OpenStreetMap Googleマップ 地理院地図
オフラインマップ

OsmAndなどのアプリで利用可能

×→〇 

2019年からオフライン機能が日本でも使えるようになりました

〇 

ジオグラフィカなどのアプリで利用可能

書籍に利用

CC BY-SAで利用可能

いくつかの利用制限があります

△→〇

2019年の規約改定により利用しやすくなりました

ユーザによる編集

自由に編集できます

POIデータの編集提案はできますが、反映されるとは限りません

×

ユーザが編集することはできません

データの利用

自由にデータを使えます

×

データはGoogleのものです

×

データは取得できません

POIデータ充実度

地域によってばらつきが大きい

データの充実度はNo1

×

学校など公的施設だけが表示されます

地図画像以外の機能

地図サービスは基本的には利用者側にゆだねられています

〇 

様々なサービスが統合されています

△ 

断面表示機能などがあります

+++      

 (地図データと地図サービスを比較してしまっている側面もありますが、そこはご勘弁)

 

改めて言うことでもありませんが、自由にデータを編集できること、自由にデータを利用できることがOpenStreetMapのコアバリューであることが再確認できました。特に地図データを自由に利用できる点は他の追随を許しません。

OpenStreetMapの利用をアピールしていくには、今一度原点に立ち戻って、「地図画像」ではなく「地図データ」の活用をアピールしていく必要があるのでしょうね。

Overpass turboの活用に関する記事も書きたいです。