疑似科学と科学の哲学
「疑似科学と科学の哲学」(伊勢田哲治、ISBN:4815804532)
私がこれまで書いてきたことが、うまくまとめられてるなと思った。文献を探す緒端としていいかも。
太陽や月が地上の出来事に影響を与える以上、他の天体も影響するはずである(P66)
クーンの理論選択基準
- 実験や観察との一致
- 内部の無矛盾性および確立された他の理論との整合性
- 応用範囲の広さ
- 単純性
- 豊饒性
(P85)
(P25付近)
「発見の文脈」とはある仮説が作られるにいたる過程のことであり、さまざまな不合理な要素が入ってくるとされる。これに対し、「正当化の文脈」とは作られた仮説が受け入れられる過程で、基本的には合理的とされる。(P87 かぎ括弧は村本が付加)
電子は「存在」するか、というような科学的実在論について
普通に科学をやる分にはそこで考えるのをやめてさらなる研究に進むのが生産的なのだが、哲学というのは難儀な学問で、(P120)
二つの理論の間の差が言葉の綾のレベルの問題だと思えば両者を区別するのにエネルギーを割くのは賢いこととはいえないが、もっと実質的な世界のあり方についての違いだと思うならそこはゆるがせにできないだろう。(P120)
しかし彼(註:ファン=フラーセン)は、「科学の目的」という視点を導入して、科学の目的からいえば、そうした直接目に見えない部分で理論が真かどうかというのはどうでもいい、と言う。(P133)
まさにどうでもいい。もっといえば、目に見えようが見えまいが、どうでもいい。