論文捏造

「論文捏造」(村松秀、ISBN:4121502264)を読む。
フラーレン高温超伝導で論文を捏造したノンフィクション。
本としてはまあまあ面白い。でも掘り下げ方が足りない気がして、ずいぶんもったいない印象。
ただ、著者は理系の大学を出ているのに、

膨大な数の論文が編集部には送られてくる。そのうちの選りすぐりのものだけを科学的にしっかりと精査した上で掲載している、という私たちのイメージは勝手な思い込みに過ぎない、というのだ。(P134)

なんて言ってちゃいかんだろ。「私たち」が読者一般を指しているのならわからなくもないけど。