横浜駅構内マッピング、特に車椅子向け


この記事はOpenStreetMap Advent Calendar 2017(https://qiita.com/advent-calendar/2017/osmjp)の何日目かの記事になる予定です。

日本のダンジョン 〜 駅 〜

日本の駅構造は複雑です。東京近辺では新宿や渋谷のダンジョン度は有名ですね。横浜駅も常に変わり続ける「不思議のダンジョン」として有名です。

横浜駅ダンジョンを攻略するため、ダンジョンマッピングに挑みました。

マッピング

駅構内マッピングではこのあたりのタグを使いました。

通路 highway=footway or pedestrian
階数 level=*
階段 highway=steps
改札 barrier=toll_booth turnstile
出入口 entrance=yes
点字ブロック tactile_paving=yes
エレベータ highway=elevator

マッピングは以下の方針で実施しました。

  • すべての路線の改札口と改札口をhighwayで結ぶ。
  • 通路に階数(level)をつけて、立体的な経路もわかるようにする。
  • 通路とエレベータをつなげて、車椅子向け検索が(将来的には)できるようにする。
  • 今回はルート検索を目的とし、public transport系タグは気にしない。

マッピング結果

現地マッピングの結果です。

http://osm.org/go/7Q41gnqVJ
デフォルトマップでは改札や出入口が表示されないのでよくわかりませんね。

データをダウンロードしてQGISで表示した結果がこちらです。

なんとなくいい感じではないでしょうか。

ルート検索(できない)

改札→改札のルート検索ができるデータをそろえたので、ルート検索してみよう…と思ったら、ノード→ノードのルート検索サービスが見当たりません。

せっかくエレベータのデータを完備したので、車椅子用のルート検索も原理的にはできるはずですが、階段を検索対象から外すルート検索サービスもありません。

残念。

しかたがないので、簡易的にQGISを使ってルート検索してみました。

横浜駅南口はエレベータが少ないので、市営地下鉄⇔JR南口を乗り換えるには中央口を経由しないといけないんですよね。

追記

南口にエレベータがありました!ここを使うと中央口を経由する必要がなくなります。

エレベータの管理はジョイナスなのですが、ジョイナス営業時間外でも6:00-24:00まで利用可能なので、始発終電を除けば使えると思います。エレベータの場所が分かりにくい(特に地下)ので気を付けて探してみてください。
→後日確認したところ、ジョイナス営業時間前は地下階に行けませんでした。このルートが使えるのは10時以降と思われます。

はまっこさん、情報提供いただきありがとうございます!

悩みどころ

  • 改札はbarrier=toll_boothでいいんだろうか?→barrier=turnstileが適切なようです。
  • 地下鉄出入口は、外からは見ると「横浜駅」と書いてあるけど、駅構内側から見ると「ジョイナス方面」とか書いてある。どちらをname=*に入れるべきか?

終わりに

エレベータマッピングは、まさにダンジョン探索の感があり、とても楽しくやれました。一方で、目の前にある場所が階段で隔たれているところが多く、車椅子には厳しい世界だなぁと実感します。ちょっとずつでもバリアフリーの世界にしていきましょう。

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この記事では、タイトルロゴにダンまちロゴジェネレータ(http://aniani.me/danmachi/)を使用させていただきました。ありがとうございます。
また地図はOpenStreetMap((c)OpenStreetMap contributors)を使っています。