タイトルは意味ありげだけどよくわからんかった。 〜「夕凪の街 桜の国」

流行り物には結構弱い。というわけで「夕凪の街 桜の国」(こうの史代ISBN:4575297445)を読んだのはちょうど流行ってたころ。
この話は原爆ものらしいのだが、そういう面からはそれほど楽しめたわけではない。そんな話もあるかな、って感じでそれほど感銘は受けなかった。白いコマで視力を失う表現や、(望まれて生まれてくるように)死ぬときにも誰かに望まれて死にたい(?)という表現に関しては、なかなか面白いなと思ったけど。
原爆とかそういった観点を除くと…かなり面白かった。第一部を読み終わり第二部に入ると、全く違う話が始まったように見えるので、これってオムニバス形式なんだっけ?と勘違いしたまま読み進める。だけど何か引っかかるものがある。そして第三部に入る。すると伏線が少しずつ一気に回収されていき、三つの話が繋がり色鮮やかに見えるようになる。そして、

そして確かに
このふたりを選んで
生まれてこようと
決めたのだ

という独白とコマで頂点に達し、カタルシスというかものすごい開放感があった。こういう話の構成には弱いんだよな、俺。
読み終わったら、次のページなどを読むとさらに楽しめると思う。こんなところにも伏線が!ってなる。
http://sho.tdiary.net/20041109.html#p02

ああおもしろかった。