分散電源と集中電源その1 分散電源って何?
近頃の風潮として、従来の集中型発電から分散型発電に移行しようという雰囲気がある。でも観念的な議論ばかりで定量的な議論をトンと見かけないので、ちょっと考えてみることにする。
たぶん最終的な結論は集中発電方式のほうがいいっていうことになる気がするけど。
まず、分散電源ってなんでしょうか。名前からして従来の集中型大規模発電に対するものだということはわかります。きっと小さいんでしょう。発電の種類は火力です。原子力発電の分散型なんて聞いたことはありませんし、水力発電の分散型(小規模水力発電)はあまりにもマイナーなのでとりあえず除外すれば、消去法で残るは火力になります。
火力発電の中でも、石油や石炭発電の分散型なんてなかなかありません(ディーゼルはあるけど)。ということで天然ガス(都市ガス)発電です。ここから先は天然ガスや都市ガスを燃料とした小規模発電を分散電源ということにします。
分散電源側がガス燃料なので、集中電源側もガス燃料方式を比較対象にします。でないと天然ガスと石炭の比較をすることになっちゃうので*1。
ところで風力発電や太陽電池などを分散電源だという人もいます。確かにこれらの発電方式は分散して設置されます。でもこれらを分散電源のカテゴリーに入れるのは無理があります。対応する集中型がないからです。分散電源という名前を付けるからには、それに対応する集中電源方式が念頭にあって、それとの比較が議論の中心になるはずです。比較対象がないのにわざわざカテゴリー分けするのは無意味だと思います。
…でもメガソーラーなんていう大規模太陽電池もあるんだよな。メガソーラーと小規模太陽電池の比較はまた別の機会ということで。