奪われし未来

「奪われし未来」(シーア・コルボーンら、ISBN:4881359851)を読む。いわゆる環境ホルモンの本。「沈黙の春*1と並んで環境問題のバイブルとされているようです。
読んだ感想はというと…
なんか面白くなかった。「沈黙の春」を読んだときは、内容はともかくバイブルとされるのもなんとなくわかるような気がした。でも「奪われし未来」はそうは思えなかった。この本が出たときには、環境ホルモン云々はそんなに衝撃的だったのだろうか。
「物質の毒性を死亡リスクだけで評価するのは不十分であり、生殖能力の低下も評価しなければならない」という主張に関してはそれなりに同意します。私は人口の時間総和を最大化する*2のが「善」であると考えており、生殖能力の低下は次世代の人口減に繋がるからです。しかし、この主張の次に来る「環境ホルモンは生殖能力を低下させている」という主張に関しては、データの検証やメカニズムの解明がなされているとは言えず、説得力がありませんでした。
図表を使ってください。文献リストが一応あったのはよかったです。

*1:http://d.hatena.ne.jp/muramototomoya/20051017/carson

*2:「生活の質」を補正してやる必要があるかも