マザーネイチャーズ・トーク

「マザーネイチャーズ・トーク」(立花隆ISBN:4101387214)を読む。立花隆の本も読んだことなかったのに、先に批判本を読んでしまった*1から、何か読んでおくかと。
適当な本を探したのだが、この人の本って対談集ばっかりなのか? 対談ものって、その場の流れとかがあるから批判しにくいんだけど。立花氏の思想が見えにくいってのもあるし。
とりあえず、全体を読んで感じた雰囲気から言うと、「立花隆先生、かなりヘンですよ」での批評(立花氏は人為的な人類進化思想を持っている)はそれなりにあたってるかもと思った。
あと、立花氏が対談相手の話を聞いている間はいいのだけど、立花氏が自分の思想を入れたような質問を投げかけて、対談相手にあしらわれる場面が何度もあるのはほほえましいものがあった。
ただ、やっぱりこの本から立花氏自身の考えを読むことは難しいので、この本で立花氏を評価することはできない。ただ、個別の話はそれなりに面白いと思う。この辺が立花氏の力量なのかも。

立花 専門の話を聞いているとものすごく面白いんだけれども、雑談で社会問題なんか話しだすと、突然子供じみた議論を展開したりするという人が多いんです。
日高 世界全体がどんなものであるかというようなことについては、昔にもうちゃんとわかっちゃっているんじゃないですかねえ。あとで、わかってきたことはなにかというと、先人をそれほど超えていない。それ以上には行かないんじゃないですか、人間の理解は。どうもそういう気がしてしょうがない。
立花 やっぱり人間は、その程度の脳味噌の持ち主でしかないということなんですかね。
(P110)

立花 (中略)生命誕生までの時間がもっとずっと早くなるという可能性はないんですか。
(中略)
立花 化学反応のスピードのパラメーターとして、たとえば温度なんていうのはずいぶん関係しますね。かりに地球がもうちょっと太陽に、可能な範囲で、近づくとかすれば……。
(P139)

立花 社会的な健康総量というのを考えたら、昔よりはずっとよくなっているわけですね。
多田 そうだと思います。
立花 汚い環境のほうが健康的だという言い方は成り立ちませんか。
多田 それは違いますね。
(P208)

立花 今、バーチャル・リアリティを利用した、いろいろなゲームや何かありますね。ああいうのなんかはうまく利用できないんですか……。
河合 (中略)難しいんじゃないでしょうか。
立花 しかし、(中略)……。
河合 (中略 やっぱり否定)
立花 しかし、うんとうまくやればいけるかもしれませんね。
河合 (中略)そこのところが非常に難しいと思いますね。
(P232)