人体汚染のすべてがわかる本

「人体汚染のすべてがわかる本」(小島正美、ISBN:4487794358)を読む。
突っ走っているところもあるが、公平に見ようと努力しているところもある。スタンスははっきりしないけど、そのぶん公正であろうとしているということか。
リスク・ベネフィット分析に対する批判は、面白いけどあほらしいと思った。

あなたが電車で現金10万円を盗まれたとしよう。(中略)あなたの10万円を取り戻すのに、優秀な刑事が数人も駆け回るのは貴重な資源の無駄遣いだ。少なくとも1000万円はかかるだろう。(中略)10万円を盗んだ犯人を捜すのはやめて、もっと重要な犯罪に刑事を回すことが決まった。(中略)軽い犯罪は永遠に続くのだ。(P169)

10万円と1000万円の比較は別にして、正しい判断だと思うけどね。10万円の犯罪にいくらのコストをかけるのかは、社会の合意で決まるだけ。10万円の犯罪に1000万円かけたいなら、警察に予算をたっぷりつければいい。10万円の犯罪と100万円の犯罪があったら、後者に10倍の労力をかけて欲しいと思うよ。