チャンピオンたちの朝食

「チャンピオンたちの朝食」(カート・ヴォネガット・ジュニア、ISBN不明)を読む。
これもよくわからん。
それでも、ちょっと気になったところは結構あったのでメモ。やっぱりペシミスティックなのばっかだ。

ひょっとしたら、神様がこの地球にわたしを置いたのも、そのためじゃないかという気がしてきた。つまり、人間がこわれずにどこまで耐えられるかを調べるためさ(P185)

彼は死んだ肉を断っているだけではなかった ―― 生きた肉も断っており、友人も愛人もペットもいなかった。(P197)

人生について書こう。どの人物にも、ほかの人物とまったくおなじ重要性を与えよう。どの事実にもおなじ重みを持たせよう。何一つなおざりにはすまい。(P232)

これはかなり気に入った。今まで読んだヴォネガット本で一番好きなフレーズかも。
この試みはうまくいったのだろうか。あんまりそうは思えない。でもたぶんうまくいったんだろう。このフレーズに共感できて、他の多くの作品にも共感できたんだし。

E=Mc2
わたしにいわせれば、これはできそこないの方程式である。この中のどこかにAwareness(意識)を表す"A"がなくてはいけない ―― それがなければ"E"も"M"も、また、数学的な定数である"c"も、存在できないからだ。(P265)

またこれか。トンデモ科学者がいかにも言いそうな台詞だ。ヴォネガットのこの側面は嫌い。