コスモス

コスモス(カール・セーガン、ISBN不明)を読んだ。実際に読む前は、この本は宇宙論についての本なんだろうな、って思ってた。確かにそういう側面もあるのだけど、印象はずいぶん違った。科学的な面から、宇宙の「美しさ」を書いた本だと思った。以前にコメントを書いた「虹の解体」に対するひとつの回答だと感じた。虹は解体されて美しさを失ったのではなく、新たな美しさを見せてくれるようになった。そして宇宙・星の解体をセーガン氏は「詩」にした。詩的表現がそんなにあるわけではないけど、私たちの宇宙へのあこがれが科学的描写に詩的感覚を与えているような感じ。
ただ、核兵器とか知的生物との友好とかの話は蛇足かなと思う。ちょっと思想が強く入りすぎてて、科学的側面を損ねてるんじゃないかな。
でも全体的には、間違いなく「良い」本だし、読んでて気持ちよくなれる本だ。子どもの頃に読んでたら良かっただろうね。