空海とアインシュタイン
「空海とアインシュタイン」(広瀬立成、ISBN:4569647820)を読む。挑戦的なタイトルに惹かれて。
内容は期待はずれ。空海とアインシュタインの対話なんてほとんどないし。本の大部分は、二人のバックグラントを個別に解説してるだけ。対話部分もかみあっているとは思えない(両者の思想を理解している人ならどうかしらないけど)。
科学が物質を客観的に観察し分析するのに対して、宗教は、論理と直感を基礎として人間の存在意義を探求する。(P3)
宗教ってそういうものだったのか。哲学の担当分野かと思ってた。
太陽光線を受けて温まった地面や海面などからもたえず水が蒸発して、地球が(金星のように)熱化することをくいとめている。(P164)
水の存在は、地球を温暖化する方向に働くのであって、著者が主張するような寒冷化する方向ではないはず。熱のバランスで計算すると地球の平均温度は-18℃だけど、水などの温暖化効果で15℃くらいに暖められている*1。
宇宙は無限に広いとみなしてよいから、水の正常な循環が保障されるかぎり、エンエトロピーが蓄積することはない。(P220)
水があろうがなかろうが、循環しようがしまいが、エントロピーの蓄積とはつながらんけどな。
著者は科学者(素粒子論)らしいのだが、もうちょっときちんとした説明をしてほしい。感傷的過ぎる。