省エネではCO2削減にならない?

渡辺正氏は『暴走する「地球温暖化」論』で、

たとえば一定所得の家庭が節電する。それだけならCO2排出量は減るけれど、実は電気代が浮く。筆者のような凡人は、浮いたお金で何かを買う。品物を作る企業は、エネルギーを使ってCO2を出す。つまり家庭がいくら省エネに励もうと、国全体のCO2はさほど減らない。(P5)

と書いている。本当に減らないのか。
例えば、毎月電気代に1万円、家電製品に1万円ずつ使っていた家庭が、省エネすることで電気代に5千円、家電製品に1万5千円使うようになったときに、CO2は減るのか減らないのか。
やっぱりこういうのはデータがないと説得力がないので、LCAデータをひっぱってくる*1

項目 CO2排出量 (kg-CO2/千円)*2
電力 26.830*3
家電製品 2.888*4

電気のほうが10倍もCO2を出すのだ。省エネして電気代を減らせば、家電製品を買ったとしてもCO2排出量は10分の1になるのだ。
ってことで、省エネすればCO2は減ります。

*1:http://news-sv.aij.or.jp/tkankyo/s0/site/arc07.html

*2:購入者価格あたり

*3:事業用電力のデータ

*4:民生用電気機器のデータ