地産地消

地産地消は食品輸送のエネルギーが少なくなるので「エコ」であるという主張をたまに見かける。本当なのか。
検索してみたら、トマトを対象にしたLCA実施例があり、国産よりも輸入品のほうがCO2排出量が少ないとの結果が出ている模様。ちょっと意外。

じゃあ、トマト以外だとどうなんだろうと、大雑把に確認してみることに。LCAデータはいつものように建築学会の資料から*1

食品関係のCO2排出量としては、次のようなデータがある(一部抜粋)。

食品名 CO2排出量[kg-CO2/kg]
1.313
小麦(国産) 1.034
大豆(国産) 1.326
野菜 0.786
りんご 0.762

大体0.7〜1.3の範囲のようだ。
国産品と輸入品の違いはよくわからなかったが、とりあえず先にすすむ。国産品のほうが2倍くらい出してるのかな、なんとなく。

では輸送のほうはというと、

輸送手段 CO2排出量[kg-CO2/t/km]
沿海・内水面貨物輸送 0.057
道路貨物輸送 0.314

本当は外洋輸送の数字が欲しかったんだけど、あまり変わらないだろうということで。

で、輸送距離は適当に次のように仮定する。

  • 海外での陸上輸送:500km
  • 海上輸送:10000km
  • 日本国内での陸上輸送:300km

輸入品の生産時CO2排出量を2ケース想定して、全体のCO2排出量を出してみる。(単位:kg-CO2/kg)

  生産時 海外陸上輸送 海上輸送 国内陸上輸送 合計
国産 0.7〜1.3 0 0 0.1 0.8〜1.4
輸入(ケース1) 0.7〜1.3 0.16 0.57 0.1 1.5〜2.1
輸入(ケース2) 0.3〜0.7 0.16 0.57 0.1 1.1〜1.5

なんとも微妙な結果になってしまった。もう少しはっきりしたことを言うには、海外での食品生産CO2原単位や、輸送CO2原単位をもう少し精査する必要があるかな。

とりあえずの結論は、必ずしも地産地消が良いとは限らない、かな。他のページでも同じこと書いてたか。