Session-22に関する疑問メモ

小高駅前モニタリングポストの停止理由

事実

3/9の荻上チキ・Session-22(http://www.tbsradio.jp/11177 )で、53分過ぎに崎山敏也記者が、 小高駅前にモニタリングポストがあったが、数値がもう低くなったから使っていない と説明している。

検証

GoHooでは、東京新聞の記事に対する指摘として、「「線量低下で停止」は誤報 」と報じている(http://bylines.news.yahoo.co.jp/yanaihitofumi/20160312-00055338/)。
崎山敏也記者の発言は、おそらくこの記事に基づいているものと考えられる。

対応

3/13に荻上チキさんに上記を指摘したところ(https://twitter.com/muramototomoya/status/708869164635533313)、3/14の放送(http://www.tbsradio.jp/13439)で訂正いただいた。

補足

小高駅前の機器はモニタリングポストではなく、リアルタイム線量測定システム

鹿児島県伊藤知事の発言

事実

3/14の放送(http://www.tbsradio.jp/13439)で、崎山敏也記者が16分過ぎに、「伊藤知事が『避難計画自体がワークするようなことは、そもそもない』と言っている。」とコメントしている。

検証

「伊藤知事」「避難計画」「ワーク」をキーにしてwebで検索すると、2014年11月の記者会見で「避難計画が実際にワークする、そういうケースもほとんどないだろうし」との発言がある。
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/genpatsu/restart/sendai/restart_sendai_ito_20141107.html
他には、2014年6月に「10キロまでの計画はきちんと作る。(10キロ〜30キロ圏は)時間をかけたら空想的なものは作れるが、実際問題としては、なかなかワークしないでしょう」との発言もあるらしい(こちらは孫引きなので文脈が不明)。
http://blogs.yahoo.co.jp/fukushima_nuclear_disaster_news/34477301.html
以上調べた範囲では、「そもそもない」という発言は見つからなかった。
「そもそもない」は、「ほとんどない」とも「なかなか〜しない」とも大きく異なっている。伊藤知事の発言は、リスク(not ハザード)は低いから、低いなりの対処をすればよい、という意味だろう。それが、崎山記者の説明では、避難計画は不要である(が、周りがうるさいから一応作った)との意味に聞こえる。荻上氏のコメントも、そのように理解した反応であるように聞こえる。

対応

3/16にSession-22担当者まで上記をメールで指摘した。回答がなかったため3/27に再度問い合わせた。その結果、複数の取材に基づくものであるとの回答をいただいたが、どのような場でどう発言されたのかなどの具体的な内容については明示されなかった。

所感

結果的には、「そもそもない」という発言が、いつ・どのような文脈でなされたのか不明なままである。崎山記者の「解釈」に大きく依存しているのではないかと感じられる。

自民党・赤枝議員の「キャバクラ」発言

事実

4/14のSession-22(http://www.tbsradio.jp/24898 )で、荻上チキさんが、自民党・赤枝議員が「お話をうかがって私はがっかりした。高校や大学は自分の責任で行けばいい。」と発言したと紹介している。

検証

朝日新聞の書き起こし記事(http://www.asahi.com/articles/ASJ4F5Q88J4FUTFL00F.html)には、そのような発言は(少なくとも直接的には)存在しない。
上記の朝日新聞記事と同じものと思われるが、Simon_Sinさんの記録(https://twitter.com/Simon_Sin/status/720237237116338176)では、冒頭部が「お話をうかがって私はがっかりした。高校や大学は自分の責任で行けばいい。」となっており、現在の記事と内容が異なっている。訂正案内はないものの、訂正されたものと考えられる。荻上さんは訂正前の記事をラジオで紹介したものと思われる。
赤枝議員の発言とされた内容は、朝日新聞による「趣旨」であって実際にはそのような発言は存在しないと考えられる。

対応

4/16に荻上チキさんに上記を質問した(https://twitter.com/muramototomoya/status/721268359094927360)。4/20現在ではまだ回答はない。

補注

ここで挙げた指摘は、内容に関する賛否とは別である。誤った内容をもとにして議論を進めてほしくないだけである。
個人的には、伊藤知事の発言にも、赤枝議員の発言にも、どちらかといえば批判的な立場である。とは言え、発言を歪めてはならないし、歪められた発言をもとにした議論は無意味となってしまう。